なぜかここ1ヶ月くらい急激な懐古欲求に駆られていて、中学とか高校の頃に聴いたCDをかき集めたりしている。ケンイシイのCircular motionのシングル(パトリック・パルシンガremixがベキベキした変トリップホップですばらしい)とか同じくケンイシイのX-mixとか、竹村延和のChild's view remixとか、そんなのを金に糸目をつけずに(1枚80円〜800円程度の)中古盤でかき集めている。

 昨日は第一期SPANK HAPPYのアルバム2枚を買った。スパンクスに関してはこの流れで話をするには語弊があるというか、当時渋谷系全盛期の時期に中学生だった俺は、日曜の深夜に伊藤英嗣がやっていた PURE POP SHOP というラジオ番組を主な情報源の一つにしていて、そこでかかった「僕は楽器」をテープに録ってウォークマンが壊れるほど聴いた。ある日の夕方、俺はなんだか忘れたけど気に入らないことがあって、家出しようと思ってウォークマンにこのテープだけ入れて家を出て、あまりに破滅的なアレンジのこの曲を聴きながら世界の終わりについて思いを馳せたりしたのだけれども、結局30分くらい経ったらお腹がすいたので普通に家に帰った。


 話が逸れたけど、そんな感じで当時俺は「僕は楽器」の1曲しか聴いてなかったので、懐古欲求の流れでこの2枚を語るのはちょっと違うのかもと思ったけどまあいいや。とにかく長らく絶版になっていたその2枚のアルバムが一昨年に再発されたと聞いてずっと買おう買おうと思いつつ面倒でのびのびにしていたのだけども、先日amazonで見たらもう扱ってなかったので、あわててタワレコに電話して店頭在庫を取り置きしてもらって新品で買った。


 そして今聞きながらこの文章を書いていて、今聴いてもぜんぜん古くない!ということはなくてそれ相応に古いし、これ抜きに90年代は語れない!ということも全然ないんだけど、たぶん俺は単に菊池成孔のポップスが好きで、DCPRGとかペペなんとかより「普通の恋」をもう何百回も聴いたタイプの人間なので、うれしいなーと思っただけ。